ヒーロー

 

 

自分にとってのヒーローっていっぱいいます。いちばん私を助けてくれるのはもちろん推しメンだし、人一倍不器用だけど最高のヒーローです。でも周りを見ると私のヒーローになってくれる人は沢山居て、今日はその一人のお話するね。

 

 

 

 

 

 

いつも酔っ払ってるオレンジ色のおじさんのお話です。人名は出せないからオレンジマンって事にしとくね!誰か分かるかな。

 

どうしようもなく悲しくてどうしようもなく分からなくて、どうしようもなく嘆いてしまったことがありました。どうしようもなくて、寒空の中 外で「なんでこんなことになったの、わかんない」って頭を抱えてた。その日、いつもは積極的に私に話しかけて来ないオレンジマンが私に無駄に絡んできて、沢山話しかけてくれたんだよね。ただ酔っ払ってるだけなのかな〜と思ったんだけど、それにしては今日はやけに絡みが多い。

その後、合わせる顔ないよな〜って、私、公演がはじまってからもずっとホールに居たんだけど、なぜかオレンジマンもずっと外に居て、隣でカレーを食べている。しかも奢り。「見なくていいの?」って聞いたんだけど、「カレー食べたいから!ははは!」って軽く笑い飛ばされた。黙々とカレーを食べてたら急に「なにぃ、どうしたの〜」ってニコニコしながら聞いてくるから、「怒られちゃったよ〜」って苦笑いしながら答えたんだ〜。そしたらなんだかオレンジマンは急に真面目な顔になってね、私に言ったのよ。

「君はもっと堂々としてていいんだよ」

「俺も結構昔から居るけど、女の子居ない時からずーーっと支えてるじゃない、すごいよ」

「君が本当はすごくしっかりしてる事、おじさんはちゃんと分かってるつもりだよ〜しっかりしてるよ、君は、若いのにねぇ」

「ほんとにねぇ、愛され具合桁違いだと思うよ〜。愛されてるんだから、もっと自信を持って推していいのに」

沢山の優しい言葉で危うく号泣しかけちゃったよ。私に何があったかなんて詳しくは知らないのにね、すごいよね。

「君は良いオタクだよ。大丈夫。」

そう言って私の背中を押してフロアに入れてくれたのもオレンジマンです。

 

アイドル現場に居る年が上の方の人って、大体が推しメンのことしか考えてないか、話してたとしても若い女と話せてるやった〜!みたいな感情が見え隠れしている人ばっかりだと思ってたんだけど、こんなに人に気が遣えて、気を遣われていることに背徳感を感じさせないようにできる人って本当にすごいな、と思いました。わたしもそんな大人になりたいと率直に思ったよ。とても救われました。

 

現場で馬鹿なことばっかりしてるのに、「君は本当にしっかりしてるよね」と言ってくれたのはこれで二人目です。ちなみに一人目は、あなたも大切に思ってるおじさんだよ。

 

 

 

 

 

 

これを読んで自分に罪悪感は感じないでほしいのと、ただただ嬉しかったってだけでなにも関係ないからね、ただ、ヒーローはすごいな、と思ったよ。って。

 

 

 

 

 

あなたが何度も私の事を底から引き上げてくれたように、私も引き上げはできなくても掴んだ手は絶対に離したくないです。変わらないでいてね、居なくならないでいてね。ずっと隣で手を繋いでいてね。いちばんちかくにいたいよ